どうすれば社長のようになれますか――いつもの歯が浮くおべんちゃらに俺はいつもの答えを返した。

「簡単なことだ、『こいつとつきあっておけば得ができる』そう思ってるうちは誰も離れていかねぇ。例え、腹の底でどれだけ俺を見下していてもな」

世界中の料理人、生産者、バイヤー、美食家、その他諸々と無数の取引があり、この世に手に入らない食材は存在しない。
巷じゃ「食材の王」なんて大層な二つ名で通っている。

そんな俺の元に、この世界で知らぬ者は無いという食の最高峰の学園の生徒からの依頼が舞い込んできた。
どうやら俺の悪い噂の『アレ』には気づいてないようだ。

「それでは、改めて話を聞かせてもらおうか。どんな食材をお求めだね？」